巨岩撤去

2017.03.02
未―コラム記者ノート

 約2年半前に発生した丹波市豪雨災害による土砂流出で、市島町前山地区の山腹に大きく露出した巨岩。撤去作業が本格化するにあたり、丹波土木事務所と担当業者の立会いのもと、すぐそばまで登らせてもらった。大きさは縦4・5×幅7・5×奥行4・5、200ほどという。
 災害以降、同地区には数えきれないほど足を運び、何度も見上げた巨岩。災害によって現在地に転がり落ちてきたものではなく、元からあったとのこと。不安定な状態ではなかったようだが、動けば警報が鳴るセンサーを設置したり、太いワイヤーで固定したりと対策が取られてきた。
 幸いにも、落石など巨岩による被害はなかったが、崩落した八日市橋(2015年8月に供用開始)とともに、この災害を象徴する存在だったように思う。ようやくの撤去は、災害からの時間の経過を感じさせる。
 今月末で、大方の災害復旧工事は完了する。今後の課題の一つは、災害の記憶の風化を防ぐことだろう。巨岩撤去の取材を通じ、災害から時間は経とうとも、復興への歩みを読者に伝え続けたいと気持ちを新たにした。(田畑知也)

関連記事