「人をゆるせることは、自分自身も楽になる。佛心」と書かれた額入りの色紙をいただいた。野花敏郎さんが、叙勲祝賀会の出席者に贈った自筆のお礼の品である。
毎日の生活にあてはめてみると思い当たることが多々ある。いらいらする時や人間関係で悩んだ時は、観音さんの絵に添えられたことばを眺めて、心を落ち着かせたい。
祝賀会で野花さんの言葉として印象に残ったのは、「心をガラス張りにすること。そうしていれば、大変な時に助けてもらえる」という。「それは個人情報ですよ」と言われると、話が続かなくなることがある。プライバシーに必要以上に深入りすることは避けなければならないが、心のバリアを解いて、人との付き合いを円滑化したいものである。
もう1つエピソードで感心したことは、身なり。気軽な旅行であっても、いつも背広にネクタイ姿。心がけは大切だ。最近、「言い訳が多くなった。年寄りくさいよ」と家族から言われた。思い当たる節もある。親世代の野花さんの前向きな生き方を見習ってプラス志向で歩みたい。「縁広がり心つないだ祝賀会」。(臼井 学)