「どうせ変わるんやろ?」―。取材先で、市民がぼやいた。篠山市の市名改称問題だ。
先日、2人の篠山市会議員が市名変更に反対の立場を取る市民8人から聞き取り調査を行った。「ブランドとしての『丹波篠山』はよくても、市名まで変える必要があるのか」など反対する理由は様々あるが、一番の心配はその決定方法にあるように感じた。署名にしても、住民投票にしても、「あまり関心のない人が知人の意見に押されて書いてしまうのではないか」という声が強かった。
自身が改称を望むなら、改称を要望している団体の運動に意見を反映させられる。しかし、反対の人たちにとっては今のところ、受け皿になる団体はなく、表立って声をあげにくい状況になっていると感じている。
市は判断材料となる情報を提供すべきだし、「みなさんの声を市政に反映します」とバッジをつけた18人も控えている。今回のような聞き取りや、意見交換があちこちで行われることを期待したい。賛成でも、反対でも、「どうせ…」という状況は、よくない。
(芦田安生)