テレビを見ていると、「もうちょっと穏当にできないのか」と、報道の仕方が気になることがある。
遠いテレビの世界の事ではなく、地域紙記者の自分が書いた記事、撮った写真が、知らず知らずのうちに誰かを傷つけることがあり、報道の暴力性について考えざるを得ない。
例えばイベント時の写真撮影。写真に写りたくない、紙面に登場したくないという方への配慮をどうしたらいいか。地域紙記者仲間に聞くと、その地域では、開会前の諸注意で、新聞社が取材に来ていることを参加者に伝え、新聞に載ることがあるかもしれないと伝えるのが慣例化しているそうだ。以前取材したプライバシーに深く関係する講座では「写真に写りたくない人の席」が主催者によって設けられていた。開会前の主催者からの注意説明の時に、「写りたくない人はいますか」と手を挙げてもらうのもいいかもしれない。ただ、出入り自由のイベントなど、参加者に意思確認できないものも多い。
「新聞に載ってうれしい」と思う人ばかりではないということを常に頭の片隅に置いていたい。(足立智和)