栃木県・足尾銅山の植樹祭に、アジアの日本語学生を支援するNPO「アジアの新しい風」の留学生に同行して参加。先日亡くなった岸井成格・元毎日新聞主筆らが作ったNPO「森びとプロジェクト委員会」が14年前から続ける活動だ。
かつて日本最大の産出量を誇った足尾銅山は有毒ガスや排水の公害もひどく、今も付近一帯に禿山が残る。「山と心に木を植える」森びとが、これを緑の山に変えながら公害の歴史を振り返り、また地球温暖化への警告を発信しようと事業を始め、「アジアの風」も数年前から参加している。
この日はライオンズクラブや知的障害者施設、また坑道などの後始末の業務をしている旧古河鉱業関係の社員らも加わり、約350人が2時間かけてブナ、コナラ、クヌギなど20種の苗木3千5百本を植えた。
これまでに植わった木は7万本。平地部はかなり豊かな林に育っているが、急傾斜の上部まではなかなか届かない。さらに、精錬カスの捨て場になっていた所は手の付けようもなく黒茶色の山肌をさらしている。
ランチ後の交流会で紹介された中国からの女子留学生は「中国の公害対策は遅れていますが、日本でも50年前頃は国中で公害が深刻だったのを、国民の努力で克服してきたと聞きました。私達も見習って頑張ります」と話した。(E)