新緑

2018.05.31
丹波春秋未―コラム

今年は新緑が大変美しい。家の窓から毎日眺めている山に吸い込まれるようにして、連休に頂上まで登った。眺めはまさに「万緑を顧みるべし山毛欅峠」(石田波郷)。消耗したエネルギーを補給してもらって余りあった。

真緑も青みがかったのも黄緑も、緑陰で揺れるのもよい。散歩の道端に、緑の中に時折ピンクの小さな花が垣間見られるのは、「万緑叢中紅一点」だ。

新緑がこんなに飽きないのは、昨年8月に白内障の手術をしたからかと思ったが、周りに話すと多くの人が「私もきれいに感じる」と言うから、客観的にそうみたいだ。

なぜ今年はきれいなのか、インターネットの「教えて!goo」のサイトに質問を投稿したら、ほどなく数通の回答が返って来た。「あなたが大人になったから」というのはさておき、「ゴールデンウィークの後も寒い日が続いたので湿度が低く、空気が澄んでいるから」、「急に気温が上がって植物の光合成が活発になり、成長が早まって緑の量が多くなった」「降雨で葉の表面が清浄された」などなど。

どれも一応うなずけるが、温度が高いのも低いのも、雨が降るのも、特に今年がという説明としては今一つもの足りない。やはり主観的なことが大きいのだろうか。丹波の読者にも理由を教えていただければありがたい。(E)

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