33年に1度の”秘仏”公開へ 聖徳太子作の薬師如来像 病気平癒の御利益も

2024.03.26
地域歴史注目

本尊の前で、33年に一度の御開扉法要が行われる薬師寺への参拝を呼びかける垂水住職(左)と角木委員長=兵庫県丹波市市島町上鴨阪で

兵庫県丹波市市島町上鴨阪の薬師寺で31日午前10時から、33年に1度の本尊の秘仏の御開扉法要(同寺開扉委員会主催)が行われる。本尊に安置されている薬師如来像は、飛鳥時代の皇族、聖徳太子が作ったものと伝わり、病気平癒の御利益があるとされる。垂水恵光住職(55)は「霊験あらたかな薬師如来さまにお会いし、おかげを頂いて」と参拝を呼びかけている。参拝自由。

同寺の文献によると、湖だったこの地にすむ龍蛇の水害を鎮めようと、聖徳太子が作ったという。和銅年間(708―715年)に法道仙人が同寺を開基。像を拝むことで「諸々の病苦を末代に至るまで免れしめん」という誓願がある。

戦国武将・明智光秀の軍勢に攻められ、傷ついた兵士が薬師如来像を背に山へ落ち延び、麓に祠を建てて祭ったという。

法要当日は10時から読経を行う。紅白の餅をまき、たこ焼きやぜんざいなどの露店も並ぶ予定。御開扉は4月27日まで。

御開扉に向け、上鴨阪の宮総代や自治会長ら13人で同委員会を結成。のぼり旗を立てるなどの準備を進めてきた。角木隆久委員長(75)は「地元住民にとって特に信仰があつく、なくてはならない寺。節目の法要は伝えていかなければならない使命」と話している。

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